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我、石橋にならん

中国ドラマ「美人天下」を見ていたら、唐の3代目の皇帝にして則天武后の夫君が、病の床のなかで詩を口ずさみます。「我、石橋にならんと願う」。ああ、五言詩だ、と。続けて「五百年風に吹かれ」「日に照らされ雨に打たれたとしても」「愛しき君が渡る日を」「ただ待ち続ける」。
いいですね。壮大です。五百年待ち続ける、なんていわれたら、もうたまりませんし。いったい文字にしたらどうなるのでしょうか。『我願成石橋』でしょうか。ああ、もっと漢文を真面目にやっとけばよかった。漢詩はほんとに奥が深くて、たった20文字で世界を語ります。
そういえば夏目漱石の「夢十夜」という短編集のなかに、好きな女性に「百年待っててください」と言われて「待つよ」と答えた男性が、白い百合の花が咲いたのを見て「もう百年たったのか」と思う、印象的で素敵な小説があります。女性は白百合、男性は石橋に化身する。
時の流れに抗えるのは、ひとを思う気持ちのみ。古典は時代錯誤、という人もいるかもしれないけれど、そこには人の思いがあるようで、アナクロな私は、やっぱりそちらに惹かれます。思いは時を超えて伝わります。
それにしても、皇帝といい漱石といい、ほんとにロマンですね。男のほうが、女性より何倍も浪漫主義です。だって、女は「今夜、なにしようか、洗濯物、取りこまなきゃ」て、考えなくてはいけないから。プロミスCMまとめ